2023年9月4日
「SOLID FURNITURE STORE TAKAMATSU」も3周年を無事に迎えることが出来ました。
これもひとえに皆様のご愛顧のたまものと深謝申し上げます。
今後もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
さて、本日のJOURNALは「SOLIDの家具はなぜ値引きをしないのか?」
という点についてお話をしたいと思います。

まず先に、私は買い物が好きで「SALE」という文字に弱い人間です。
あっ、安いから買おう!
通販だと、「あと少しで送料無料になるから何か一緒に買おう。」と無駄遣いが…
欲しい物が安くなっていて、嬉しくないわけがない!
しかし、こういった体験はございませんか?
あっ、欲しいモノが安くなっているラッキー(購入)。
しかし、数日後にその商品が更に値引きされているとなんだか損をした気分に。
安さを追求したら、キリがないのです。
確か2000年代前半だったと思いますが、某有名ハンバーガーチェーン店のハンバーガーが数十円台まで価格を下げ。
その後、牛丼店各社の値下げ競争も激化。
一見、消費者からするとありがたいように感じましたが。
今の日本経済を見るとどうでしょう。
コロナ自粛が明け、世界から多くの観光客がいらっしゃり、日本は物価が安くて嬉しい。
気が付けば世界の水準から離されている状況に。

「安い」が正義の時代は終わり、物価と共に給料が上がる。
今更ここで書かないでも皆さんも感じていることだと思います。
今年の春闘で賃上げに世間が関心を示し、最低賃金が見直されました。
実は家具職人、現場の方々もこの問題で苦しんでいた時期がありました。
海外から安価な輸入家具が増え、国内生産の家具の売れ行きは低迷。
あなたの近所の町の家具屋も減っていませんか?

資本主義といってしまえばそこまでですが。
日本の素敵な職人さんの技術が、国産家具が減少していく。
業界に携わる人間からするとやはり寂しいです。
ただ、これも致し方ないことなのです。が、
そこで、本題の「SOLIDの家具はなぜ値引きを基本しないのか?」になるのです。
SOLIDの家具については何度も書いていますので、ここでは省略しますが。
国内製造で受注生産、そしてこれだけの素材と品質をこの価格でご提供するプライド。
全てはSOLIDのコンセプトである「世代を超え、愛される家具へ」、お客様の為です。
お客様の為? じゃあ、安くしなさい!
と思った方はしばしお待ちを。
先述の値下げ激化によってもたらされた事をもう一度、整理しましょう。

安くする=どこかにしわ寄せがくる。
安い=正義とは限らない。
そもそも、価格を下げれる理由には何があるか、いくつか挙げてみましょう。
消費期限が近く、破棄すると食品ロスになる為。
アパレルだと、シーズンオフの為。
また、モデルチェンジの為。などなど、理由があるもの。
また、ただ単にクロージングとして安くするという事もあります。
ここが一番、考えないといけないポイントでもあります。
某大手中古車販売会社により、世間を騒がせましたが。
ノルマの為に、様々な不正。
それもあってなのか今年の10月1日より、中古車の販売価格の表示が「支払総額」に変わります。
この問題には価格を安くみせる問題があったからだそうです。
中古車は特に価格の相場やその他諸経費なども一般の方には分かりづらいこともあり、改正が行われたのでしょうが、良い事だと思います。
ただ私が思うにこれは何も中古車販売に携わる方だけの問題ではなく、他の業種。
勿論、インテリア業界もそうです。
安い家具に対抗する為、無理な値下げ(SALE)。
それによる、SALEのタイミングでしか物を購入しなくなるサイクル。

価格を下げることで、利益の減少。賃金が上がらない。
質は求められつつ、生産性の向上要求。
それによる、現場(職人)の負担、離職。
技術の継承が途絶え、文化すら危うい、等々。
そういった経験も踏まえ、確かな製品を決して安売りではなく、まして膨大に利益を得る価格にするわけでもなく。
市場の価格相場から、製造や流通コストなどの無駄を省き、この品質でこの価格を実現しました。
ですのでSOLIDの家具は基本、値引きをしないのです。※モデルチェンジなどの理由で現品特価などはございます。
何故なら、既にお買い得なプライスだから。
職人を守る為、また町の家具屋さんを守る為、強いてはこの業界の為。
でもやっぱり愛用される方々が、いつ・どこのSOLIDのお店で、どなたが購入しても同じ価格というこの平等にして安心感。
これこそが、信頼・信用になる理由だと信じて。
SOLIDの家具は値引きをしないのです!
そして、値引かない責任も販売をする私たち、製造する職人たちにも、もちろん課せられるわけで。
SOLIDが大好きな皆さま、ユーザーの皆さま、お気づきのことがございましたら何なりと仰ってください。
その声こそが、SOLIDをより「世代を超え、愛される家具へ」すべく、一歩だと考えております。
SOLID高松店は3周年。
七五三で言えば「髪置き」、まだまだ子供です。
しかし、髪置きには子供の健やかな成長や長生きを願う意味がありますので、SOLIDがこれからも多くの方々に愛され、長く続くように綴るには良いタイミングだったのかもしれません。
少し長くなりましたが、「SOLIDの家具はなぜ値引きをしないのか?」ご理解いただけましたら、幸いです。
