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「NychairX」について

2025.09.26 update

突然ですが皆さま、「NychairX」をご存じでしょうか。

読み方は「ニーチェアエックス」。

 

私は日本を代表するチェアの一つだと確信しています。

NychairXは今から半世紀以上も前、1970年に誕生。

日本人デザイナー「新居 猛(にい たけし)」氏により、つくられました。

誕生以来、世界各国で販売されている名作。

ではその名作の魅力を紐解いていきましょう。

 

1:折り畳みの椅子である

手軽に折り畳め、厚みは15~22cmとコンパクト。

また、折り畳んだ状態で自立するため、場所を取らずに収納ができます。

重量は5~6.5kgと軽量で、女性でも持ち運びやすいです。

 

 

2:座り心地がよい

椅子として当然ですが、どんなに見た目がよくて収納に優れていても肝心の座り心地がよくないと…

その点はニーチェアエックス、計算されたシートの肘掛けの高さ、背もたれの角度や生地の特性、すべてが相まって生み出される、包み込まれるような座り心地となっています。

 

 

3:日本の丁寧なものづくり

シンプルなパーツで構成されたニーチェアエックスは、それゆえに高いものづくりの技術が求められます。

「座り心地を落とさず、とにかく安い、道具のように役に立ってこそ椅子」という新居猛の信念を受け継ぎ、一貫して国内での生産を続けています。

 

 

4:壊れても修理ができる

環境問題が特に注目される昨今、家具業界においても商品開発の段階でとても考えられています。

そんな中、50年以上も昔に誕生したニーチェアエックスは、経年による傷んだシートは外して交換でき、ネジやパイプも部品ごとの修繕・修理が可能であるため、永くご愛用いただける仕様に当時から考えられています。

 

 

このように永く愛されるニーチェアエックスには、人気の秘訣が隠されています。

1980年に「ニーチェアエックス 80」がグッドデザイン賞を受賞。

1986年に「ニーチェアエックス」がグッドデザイン賞を受賞。

1997年には、「ニーチェアエックス」がロングライフデザイン賞を受賞。

2015年、「ニーチェアエックスロッキング、ニーチェアエックスオットマン」がグッドデザインロングライフデザイン賞を受賞。

とデザイン性も評価されています。

 

改めて、日本の名作を振り返り。

シンプルな美しさに機能美を織り込んだ、新居 猛。

彼のお話も。

 

1920年、お隣は徳島県徳島市生まれ。

剣道具製造業の家庭に生まれたという事もあり、ニーチェアエックスに使われている素材を見ると。

剣道着や剣道袋に使われていた素材に着想を得てニーチェアの生地は開発されていたり。

肘かけの部分は木材、初代のパイプ部分はスチール(現在はステンレス鋼)と剣道の道具で使用されていた素材を使っているのが新居氏らしいです。

 

彼が残した言葉で、

心地よく、丈夫で、とことん安く。いわばカレーライスのような椅子をつくりたかった

その言葉の通り、ニーチェアエックスは現代でも世界中の方に愛される名作となりました。

あなたの暮らしにもニーチェアエックス、いかがでしょうか。

 

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