前回に引き続き、今回も【改めてベッドについて学ぼう!】です。
前回はコイルタイプのマットレスについて書きましたが、
今回はその逆「ノンコイルタイプ」について書いていきます。
ノンコイルタイプは説明も不要かと思いますが、コイル(スプリング)を使用していないマットレスになります。
有名なところだとエアウィーブやテンピュールなどがあります。
現在、ミゾブチ家具で取り扱っているノンコイルマットレスだとギリシャの「COCO-MAT」です。
ではコイルがないマットレスにはどんな素材を使用しているのか?
一般的にはウレタンフォームやファイバー素材などが使用されています。
近年のノンコイルタイプで良く目にするのが、「洗える」、「硬さをカスタマイズできる」といったポイントです。
コイルタイプでは難しい、素材の差を上手に差別化したマーケティングだと感じます。
では、改めてノンコイルタイプのメリット、デメリットについてみていきましょう。
【メリット】
「通気性に優れる ※一部素材に対し」
洗えるという物があるように、その素材の特徴として通気性が抜群に高いという点。※素材によって異なります。
蒸れにくく、湿気も溜まりにくいのでカビやダニが発生を抑え、アレルギーをお持ちの方にもオススメです。
「バリエーション」
中身の素材で個性をだす、ノンコイルタイプ。
低反発や高反発、折りたためる、中材の組み替えで好みの硬さを変えられるなどその選択肢は様々です。
「環境配慮」
コイルを使用していないので、廃棄する際の手間(コスト)が楽です。
素材やお住いの地域にもよりますが、分別して家庭ごみとして出すことも可能です
「振動が伝わりにくい」
コイルがないので、寝返りなどの振動が伝わりにくい為、家族やカップルなど誰かと一緒に寝るという方にはオススメです。
【デメリット】
「選択肢の多さ」
メリットにも挙げたのですが、その素材により特徴は様々で例えば
ファイバー素材:通気性に優れる一方、熱に弱く温度によっては変形してしまう可能性がある。
低反発ウレタン:体にフィットした寝心地が特長で人気ですが、場合によっては沈み込み過ぎてしまい寝返りが打ちづらく肩腰の痛みの原因になることもあります。
このように当然ですが各素材には一長一短あり、その個性を把握していないと自分の好みや体型に合った物を選ぶ難しさがあります。
「臭い」
例えばウレタンフォームは発泡剤や泡剤などを使用しますので、臭いに敏感な方はその独特の臭いが気になってしまうという事があります。
いくつか挙げましたが各素材に対し、その特徴は様々で、またその素材でメリットもデメリットも変わってしまうのが、コイルを使わず各素材の特徴いかしたノンコイルの魅力でもあります。
安価なマットレスも多いですが、素材の特徴や寝心地も確かめずに通販などで購入するのはインテリショップのスタッフとしてオススメしません。
最近は本当にたくさんのバリエーションが増えたノンコイルタイプ。
SDGsの後押しで環境問題に対し、世間の関心も高まりはじめた、ここ日本。
それでも世界から見るとまだまだ、遅れている点も多く。
ヨーロッパ諸国ではコイルマットレスよりも環境に配慮したノンコイルマットレスを使用している人が増えているそうです。
どうしても四季があり、湿気の多い日本ではノンコイルに抵抗をもつ方も多いですが、先述の通り各ブランドも研究を重ね、その特徴をいかしています。
なので大切なのは、しっかりと知ることです。
と言うわけでいま一度、ノンコイルマットレスの種類と特徴を見ていきましょう!
「高反発ウレタン」
ウレタン樹脂に発泡剤を加え、発泡させた素材になり正式名称は「ポリウレタンフォーム」。
身近なところだと食器を洗うスポンジもそうです。
そのポリウレタンフォームをつくる際、原料や配合で密度を調整するのですが、ここはマニアックな世界になってくるので今回は省略します。
この「高反発(高弾性)」は反発弾性率が50%以上のウレタンフォームであると定義されています。
反発弾性率?あまり聞いたことのないワードだと思います。
簡単に説明しますと、押し返す力の指数で50cmの高さから鉄球を落とした際、25cm跳ね返ったら50%ということです。
反発する力が強いウレタン、そのマットレスの特徴は「寝姿勢の保持に優れる」「寝返りがしやすい」といった点です。
「低反発ウレタン」
先程の高反発(高弾性)の逆で、反発力の低いウレタンフォーム。
反発弾性率が15%程度以下となります。ではその特徴は?
反発力が低いので「ソフトに体にフィットする」「耐圧分散に優れる」といった点です。
この耐圧分散に優れる事で、寝返りの回数が減るという声もある一方、寝返りがしづらいという声があるのも事実です。
寝返りを行う理由は同じ姿勢が続くことによる筋肉への負荷や血流の流れを促す為など、ちゃんと意味があります。
ただ、その回数が多すぎると睡眠の質が低下するといわれており、あくまでも目安ですが「8時間睡眠の場合、20回前後が良い」とされます。
低反発は耐圧分散に優れるので、この寝返りという行動の数が減るというのはそういった理由です。
ですので、ただ単に減った=悪いというわけでもないですが、人によって「寝返りがしづらい」というのは気を付けたいポイントです。
この低反発・高反発ウレタンには密度(D)や反発力(N)を指数で分けているのですが、理科の授業のようになるのでもうこの辺りでやめておきましょう。
最後に気を付けたいポイントは高反発マットレスだから硬いというわけでは決してありません!
反発力が強いので勘違いする方も多いですが、反発と硬さはまた異なりますのでご注意ください。
また気が付いたら、長くなってしまった…
ノンコイルの種類をお伝えしようと思っていたのですが、結局「高反発(高弾性)ウレタン」と「低反発ウレタン」のお話しかできませんでしたので、また続きは次回。