「価値」
どれくらい大切か、またどれくらい役に立つかという程度。またその大切さ。ねうち。
※WEB調べにて
価値は人それぞれです。
例えば、隕石。
サハラ砂漠で発見された月の隕石がなんと250万ドル(398,625,000円 ※6/25日現在の$相場換算 )で取引されたり。
家具の世界でも驚くべき高額のものがあります。
因みにチェア、1脚でいくらすると思いますか?
まずはそのチェアをご覧ください。
「ドラゴン・チェア」

Eileen Gray(アイリ―・グレイ)が設計したチェアで、2009年にオークションで約28億円で落札されました…
彼女は建築家、デザイナーとしてもちろん優れた人物ですが、28億円もの価値がついた背景にはこのオークションに出される前に所有していた人物の影響も大きいと個人的には思うのです。
どなたが所有していたか、知っている方はかなりの家具通です。
正解は「YSL」で有名な

イヴ・サンローランです!

このように物の価値は素材の費用だけではなく、その背景や歴史、ロマンなど目に見えないものが生み出すのです。
当店でも「家具の適正価格が分からない。」と仰る方がいらっしゃいます。
確かにチェア1脚、10,000円以下のものもあれば数万、数十万円の物もあり。
「なんでこんなに金額の差があるの?」と疑問を抱かれるのも正直、分かります。
私が見ても「この家具、こんなに高いの!?」と思うことがあります。
これは家具に限ったことではなく、まず材料費、そして人件費、販促費など様々な費用を計算して、更に市場の相場、ブランド価値など含めてブランド(企業)が提示する。
これが価格です。
ですので、最初の価値とは少し異なります。
適正価格の定義は
「不当に高くもなく、かといって安すぎもしない適正な価格。」
※WEBより
食材のように日々、買い物をしていると適正価格も分かりやすいですが、家具だとなかなかそうはいきませんよね。
私が思うに家具に関して価格のポイントは
「素材」
「つくり」
「原産国(人件費や物価)」
「ブランド」
この4つはシンプルなポイントです。
しかし、「家具の素材なんて分からない」、ましてや「つくりの差になると尚更…」。
きっとこういう方、多いと思います。
逆には分かりやすいのはブランドや生産地などは表記されていますので分かりやすいですね。
家具で有名なブランドと言えば「Cassina(イタリア)」、「FRITZ HANSEN(デンマーク)」、「Herman Miller(アメリカ)」など生産地は様々。
各国の平均月収を見てもそれは明らかで、
「アメリカ$6,455」
「デンマーク$5,642」
「日本$2,476」
※WEBより2023年のデータ参照
となっています。
ましてや現在の円安で謂わずもが。

ここの価格の差はシンプルですね。
「物価の違い」、そして「ブランドとしての価値」。
「つくり」は勉強をしてその物を見れば分かることと、分からないこと、私でも見分けがつかないことが多々あるので正直、すべてを見分けるのは困難ですがここだけは抑えて見てね!というポイントは各家具にあります。
また、需要があるようでしたらその点、改めて深堀していきたいと思います。

「素材」は天然素材、人工素材など様々。
例えば「木」でも無垢か突板か、はたまた木目調のプリントかなど、その素材によってコストが変わります。
宝石のダイヤでもそうですよね、天然か人工か、品質またカラットでも違いますよね。
というかたちで、ざっくりですが家具の価格の差はこのような違いで異なります。
だから「適正価格はいくらなんだよ!」というのは難しいのですが。
ここからは余談ですが、私の妻が生シラスを購入しようとネットで検索していて、地元の大きな企業が今まではBtoBでビジネスをしていたが、これからBtoCでも展開します。
なので卸価格でお得です!と言うものを見たそうです。
おっ!これはお得だから購入しようと一瞬思ったようですが、その前に少し市場を見てみようとその近くの漁業で商いされている小さな企業の価格を見ると、先ほどの大手よりも更にリーズナブルな価格で販売しているのを見つけました。
ここからはあくまでも想像ですが、同じ漁業で獲れる生シラスはその段階で品質はほぼ同等だと素人(私)は思います。
ではなぜ、価格に差が生まれたのか?
ましてやBtoBの卸価格で一般のユーザーにも提供すると謳った大手の価格よりも安くなるカラクリ。
ここからは本当に食べ比べてみないと分からないですが、仮に同じ品質だと想定して。
私が言えることは「経費の差」だと。
仮に大きな企業の従業員が1000人いたとして、もう一方は家族経営で3人とした場合。
まず人件費に莫大な差が生まれます。
もちろん大きな会社は販売する数(量)が異なるので、一概には言えないにしても企業としてかかる経費の差は明確です。
それだけの社員を賄う施設も必要で、そのサイズが大きくなればなるほど光熱費なども大きくなります。
同じエリアで獲れた同じシラス、なので「素材」は一緒ですがこのようにプライスとして差が生じることがあるのです。当然、逆も然り。
企業からすると、自分たちはリーズナブルに提供していると真摯に思っています。(中にはそうでない企業もありますが、今回は信じるという事が前提で)
しかし、企業はお客様へ還元ばかりも難しいのが昨今です。
安さ=正義の方程式を並べた瞬間、しわ寄せが来るのが現場の方々。
お客様の為に薄給で働いてくれ、そうすれば低価格でご提供でき満足度に繋がる。
これだけ働き方改革を掲げている昨今、その言葉を真摯に受けとめ企業に貢献する社員がどれだけいるでしょうか。
ともすれば1000人いた従業員が500人に減ったとする、生産性は低下、企業としての存続すら危ぶまれる可能性も。
今年の春闘で話題になった賃上げ。
いま企業に求められている課題の一つです。
話を戻しましょう、先ほどの大きな企業が生シラスをお得な価格で提供します。
という背景には、自分たちが今いる現状で採算が合うなかでの適正価格(お得価格)なのです。
かたや家族経営の場合、家族が暮らしていける採算で提供する、と想定した場合。
価格の違いは簡単に生まれます。
これはあくまでも品質が平等だとした場合ですので、誤解しないでくださいね。
大手には優れた技術やスタッフがいて、同じ素材でも商品としてカタチになった際、品質(クオリティー)やCS(顧客満足度)が異なる場合がございます。
雑談が長くなりましたが、何がいいたいかと申しますと。
適正価格とは目に見えているその物自体の価格だけでなく、その背景をうかがい知れた時にこそ納得できるものだということです。
なので家具の適正価格が分からないという方がいらっしゃれば、ポイントを明確にお伝えして、そして自分たちがご案内(販売)している商品に対して、その拘りや魅力(背景)をしっかりお伝えすることで、その方々に見合った適正価格が見えてくるはずです。
因みに妻は小さな企業の生シラスを購入したようです。
というわけで、なんだか変な話になってしまった「価値」のお話。

※イメージはWEBより引用
「値決めは経営である」
かの有名な経営者、稲盛和夫氏の言葉です。