そのお宅は2人の息子のためにクリスマスプレゼントをそのおもちゃ屋さんからレイアウェイ(取り置きサービス)していたのだがまだ未払い分の金額50ドルが残っていた為、商品がキャンセルされてしまったのかと思い暗い気持ちで電話の話を聞いていた。
しかし、電話の内容は思いもしない内容だった。
未払い分を見知らぬ人が支払ってくれたので、商品を取りに来てくれと。
これはこのお宅だけに限ったことではなかった。実はその日、このおもちゃ屋さんは150人以上の人に同じような電話をかけていた。
あるひとりの女性がその日の午後、ふらりとお店にやってきてレイアウェイ(取り置き)で購入された商品すべての残金2万ドル分をポンと支払っていったという。
この女性は現地に住む老婦人だが、匿名を希望し店長にハグしてこう言ったという。
「みんな借金がなくなれば、安心して眠れるでしょ。」
なんとも素敵な老婦人。日本でもたまに聞く話ですがやはり心温まるエピソードですね。
レイアウェイ、日本ではなかなか馴染みのない言葉ですがこれは単なる取り置きサービスではなく、低所得者層を対象にしたアメリカの支払いサービスのことで、サービス手数料(店によっては無料)と商品代の頭金を支払い、残りの代金を数週間から数か月かけて支払った上で商品を受け取るサービスです。
経済的にあまり余裕のない人にとってはとても重宝するサービスでアメリカの小売店ではこのサービスは珍しくないそうです。
ホリデーシーズンになるとこういったレイアウェイ・エンジェル(お取り置き天使)が現れるそうでこの現象はここ数年でクリスマスの恒例イベントになっているそうです。
この電話を受けたお宅の方は先週末、たった9ドルを握り締めて色々なお店をかけずり回り、レイアウェイのサービスを利用してやっとの思いで2人の子供の為におもちゃを取り置きしてもらったそうです。
50ドルの借金はシングルマザーのこのお宅にとっては大金だったに変わりない。
様々な家庭環境がありますがXmas、それはどの子供たちにとっても平等に訪れる特別な日。
サンタさん、素敵すぎます。